「お金のいらない国」という、SF風の経済小説がある。長島龍人著・地球村出版。小さい本が4冊。最初から貨幣経済がなかった異次元世界を描いたものである。
何分、そのような世界は人々に所有欲がないから、我々の世界とは大きく異なる。興味がある方はアマゾンその他から注文すると良い。
所有の観念がないから、一対一の男女が愛などを独占し合う結婚制度もその世界では、存在しないそうだ。男女は当たり前に異性を愛し、一人が複数の恋人を持ったりする事も普通に行われる。性行為して子供が生まれても、自分の子という意識はなく、社会で皆で育て、教育する世界。とにかく、おもしろい。
拙小説「シマハタの光と陰」で一身障園生の悲恋を描いた手前、貨幣制度のない惑星社会ならば、どのような展開なのかと思ってしまったわけである。勿論、具体的な筋書きは思い浮かばないし、仮にかけてもモデルの人に失礼にもあたるから書かないわけだが。
また、それ以前に、島田療育園なるものも存在しないわけである。一部の職員が障碍者や高齢者の介護を担うシステムも。仮に施設があるとしても、非常にオープンで、健康な全ての人たちが楽しく介護する姿が僕には想像できる。皆が介護士になって関わる。子供に対して「社会で皆に」ならば、障碍者や高齢者に対してもそうなるわけである。
話を戻せば、結婚制度がなければ、対障碍者に限らず、すべての差別もないのではないか。動物達にも愛の気持ちが及び、肉食もないかもしれない...。
とにかく、そのような宇宙人社会は多いと思う。その一つを見たいものである。