１９９０年代から僕が思っている事である。現在も北はスターリン体制に基ずく、配給経済。庶民も、労働党員たちもお金の使い方を知らない。韓国は日本以上の格差社会。もし、統一し、北朝鮮の経済体制になった場合、韓国の人たちは猛反発し、暴動になる。韓国の体制ならば、例え統一一時支給金が支払われれても、北の人たちはまともに使えず、飢えてしまうことが簡単に想像できる。

　　統一の場合はそれらではない、まったく新しい経済システムを彼らの手で生み出さない限りはやっていけないだろう。資本主義でも、旧社会主義でもない、「助け合い経済」を。また、１３世紀から１４世紀にかけてはモンゴル帝国、１６世紀末には日本の豊臣軍に対して、民衆レベルで戦った歴史もある以上は、それも可能な土壌があると見ている。（モンゴル帝国の時、命じられた日本向け軍船を朝鮮の人たちはわざと手抜きして作り、それで多くの軍船が沈没し、日本が助けられた事を放送大学「朝鮮史」で３０年前に学んだわけである。日本ではあまり知られていない事のようだが）。

　　新経済システムも失敗したら大変だが、成功した場合は国境を越えて、日本・中国・ロシア・フィリピンと、世界中に広まり、ポスト資本主義文明になっていく可能性はある。「アリラン」の歌でも判る通り、元々朝鮮民族は繊細な文化を持っており、権力中心のスターリン体制も、お金が中心の資本主義体制も非常に合わないと僕は見ている。また、日本人の生活にも深く影響するかも知れない。つまり、将来の僕自身にも影響も考えられるわけで、そこからも朝鮮半島の動向は目が離せない。

　　今まで統一できなかった大きな理由に、中国の北朝鮮関与が強かったせいもあったと思う。北朝鮮の地下には何かの鉱物資源があり、それで中国は北朝鮮を抑えていると聞いた事もある。でも、昨年からコロナで、双方の貿易も激減し、離れつつある。今は北朝鮮はミサイル実験を繰り返しているが、統一の可能性は去年から増したかもしれない。さらには、北朝鮮の資源はロシアも狙っているから、中国一辺倒で今後も推移するとは思われない。中国の関与が更に弱まれば、何かのきっかけで急に統一も可能性は極めて高くなるわけである。時間の問題かもしれない。中国も恒大集団に続き、大型倒産がたくさん出そうだし、さらに北朝鮮には関われなくなりそうだ。

　　最後に、１０年前の大震災と福島原発事故の時は「日本から、その助け合いを通して新文明ができる」と言われながら、できなかった。その１０年前の小泉改革の時もそうだった。何故、日本で新文明が生まれていなかったのか。心だけで、経済面の改革が伴われなかったから。明治以来の「官僚主導の資本主義」のままが２つの後も相変わらず続いているわけです。今の「新しい資本主義」も実際は明治以来の延長だし、各野党も新しい経済システムについて考えているのか、疑問です。それはさらに過去にさかのぼり、全学連やその後の市民・ボランティア運動にも言えるのかもしれない。経済システムも新文明や社会変革の大切な要素だし、切り離せないわけでもありますね。

　　とにかく、スターリン体制はダメである事がはっきりしているし、資本主義も行き詰まっている。どの国からでも良いから、ポスト資本主義文明が出てほしいです。