ここ数年、アメリカの予算年度が替わる秋になると「アメリカ連邦政府の国債債務不履行懸念」のニュースが世界を駆け巡っている。元々赤字気味のアメリカ政府だが、かつてはそのような懸念はなかった。アフガニスタン戦争で大量の国家予算を使ったため、十数年に渡り、大量の国債・国の借金をアメリカ政府は発行し、返済と利子支払いに苦労しているわけである。戦争こそしないが、国債を多く発行しているのは日本とヨーロッパ諸国も同じだが、こっちは0金利やマイナス金利でその利子も非常に安く済むように仕向けているから、ニュースにはならないわけである。ところが、アメリカはドルの威信を保つためと、世界中のお金を集めたいためだろう、0金利政策はしていない。利子支払いだけでも莫大な量で、本当に大変である。
国債債務不履行になると、国家破産になる。IMF援助は受けられるものの、国としては死ぬわけである。その後はどうなるだろうか。とにかく、大変な事になるわけである。破産を避ける唯一の方法は紙幣を大量に刷ることだが、そのお金の価値が軽くなるから、その国は物価が高くなる。一度起きると、物価上昇が止まらなくなるわけである。普通のインフレと区別して、ハイパーインフレと呼ばれているが。例えば、一つ1ドルのパンが、1年後には、1億ドルになるとか。当然、誰も食えなくなるから、恐いわけである。当然、社会不安は勿論、強盗も非常に増えるわけである。
以上、どっちにしても、その国は死んだようになるが、このままではアメリカはそうなるわけだし、アメリカがそうなれば、そこに大量に輸出している日本、韓国、中国、インドなども資本主義は崩れるわけである。例えば、三峡ダム崩壊などの中国からの資本主義崩壊よりも、アメリカから資本主義が終わる確率の方がはるかに高いわけである。2001年から始まったアフガニスタン戦争で、アメリカは取り返しの付かない経済失敗をしたようである。
そして、20年前にそれを見通した人が日本にいた。船井幸雄である。多くの著書で以上の事を、まるで未来人のように、正確に述べていた。「ブッシュの起こす戦争がアメリカを疲弊させ、資本主義を世界的に終わらせる」と。後は、「本物社会の世界になる」。僕が述べている所の共生社会に近いものだが。
また、船井氏は、日本とヨーロッパ諸国の0金利について、「そうしないと国債の利子で国家破産かハイパーインフレになるから」と多くの著書で判りやすく説明していた。おかげで政府や日銀の0金利政策も僕は理解できたし、その事には一切反対しなかったわけである。
昨日の「日本国債も下がった」というニュースを聞いて、連想からアメリカ国債の事も思い、予定を変えて、以上を書いたわけである。確かに、未來を思うのも、過去の歴史を見るのも大事だが、「今」を見る事はもっと大事である。国債=借金に苦しむアメリカ。そこから世界はどう動くだろうか。