*挑戦
制御プログラムの点検結果に異常はなかった。そのため原因はビオランテを攻撃しようとしなかった不服従とみなされ、省次は操縦者の任を解かれ自衛隊から派遣された隊員が操縦訓練を開始した。
一方、湯原教授はゴジラが機龍を狙っている以上、万一に備え人口密集地から機龍を移すべきだと進言したが退けられた。原子炉の搭載は日米同盟に関わる機密であるため公表できず、首都防衛の要たる機龍を外すことを納得させる説明が他に用意できない以上、単に都民を動揺させるのみならず機密の存在を諸国に気づかせることになるというのが理由だった。老教授は省次に、自分たちは大戦末期、政府が国民の命よりも火災の消火を重視したためろくに避難もできぬまま焼夷弾の嵐に晒され、手押しポンプで立ち向かうことを強いられた父や叔父は帰ってこなかった。この国は今もあの時のままだと憤るのだった。
だがゴジラを前に戦えなかった機龍への風当たりは強かった。湾内で戦ったビオランテが機龍を守る位置にあったことに加え人的被害が出なかったこともあり、ビオランテの引き立て役とまでいわれる始末だった。白神が自分に復讐するに違いないと怖れる山川は、まずビオランテを倒すことで機龍への支持を繋ぎ止めることを理由に特殊部隊の総力を挙げ索敵するよう命じた。そんな動きを知った省次は白神にメールで警告したが、戻ってきたのはこんな言葉だった。
「あいつが私たちを追わせるのなら、場所は私が選べるわけね。君には悪いけど、なぜあの人形が私たちに勝てないのか見せてあげるわ」
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コメント
もも
2020年 11月22日 12:45
勝てない理由
ゴジラの細胞かな?
ふしじろ もひと
2020年 11月22日 14:21
もも様こんにちは。
いえいえ、草引きの経験がある人なら誰でもわかる理由だったり……(汗)