*警告
ビオランテの出現を受けて、機龍を擁する特殊部隊はゴジラに加えビオランテも殲滅対象にすることとされた。省次は英理加を山川が陥れたことが全ての原因であり、ビオランテはいずれ日本から出て行くと反対したが、証拠がないと開き直り強硬に殲滅を主張する山川を追いつめ切れず、方針転換はならなかった。
そんな省次に湯原教授は機龍の中の神経細胞がその後も生長を続けた結果、頭部に脳が形成されたことを告げた。省次と同じく機龍が対ゴジラ兵器を超えたものになることを良しとしない教授は、せめて機龍が勝手に運用されることを避ける意味でも省次の声を機龍に登録した上で音声操作機能を実装することを提案し、省次は脳の機能をAIと連携させれば動作の効率化が図れるとの理由でこれを上申。機龍の操縦者が開発者である省次しかいないこともあって改修は承認された。
その間ビオランテは姿を現さなかったが、国民の間には恐怖が目に見えて広がっていった。機龍がビオランテも殲滅対象とすることを発表するに際し山川がビオランテを食人怪獣と呼んだことも相まって、人々はいつ足下から出現してもおかしくない食肉植物の影に怯えた。やがてネットに植物怪獣の根は都内の地下全体をすでに覆い尽くしているとの言説が流れるに至り東京から脱出しようとする人々が続出する事態となり、パニックは広がる一方だった。ついに政府は特殊部隊に対しビオランテの索敵に全力を挙げ、所在が掴め次第機龍の投入を命じるに至った。また都民の動揺を抑える狙いから、以後の機龍の訓練は全て公開されることとなった。
そんな数日が過ぎた夕刻、またも省次の携帯に着信が入った。ビオランテとの署名があるそのメールにはたった6文字だけが、「ゴジラが来る」との一文だけが記されていた!
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コメント
もも
2020年 11月07日 07:59
次が楽しみです
ふしじろ もひと
2020年 11月07日 15:23
もも様ありがとうございます。
気長にお待ちくださいませ(汗)