珍しくDVDを購入。
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/
【帰ってきたヒトラー】2016年ドイツ映画
天才的な扇動者アドルフヒトラーがインターネット社会に再び甦り大衆の心を掴んでいくというオハナシ。
ヒトラーは生きていた、ヒトラーが甦る的な手法はホラームービーでは手垢のついた手法・パターンでありそれ自体は独創的でもないのですがね。
ウェブ上でもコメディとしての扱いをしている輩が多く、風刺として頓珍漢な論評が多いんだけどさ。
この映画の面白い部分は「入れ子構造」だと思う。なんの説明もなくヒトラーが甦るという導入は明らかにコメディーであり、序盤は1940年代の古い人間が現代のテクノロジーを全く使えないというお定まりの笑い。しかし天才的扇動者とインターネットとの出会いというテーマのもと物語はどんどんどす黒くホラー調な色彩が強くなっていく。
しかし一本調子で怖くなっていくのではなくブルーノ・ガンツの「ヒトラー最後の十二日間」のパロディーを挿入してみたり実際の政治家を出してみたりとうまい具合に「行ったり来たり」をする感じが手練れという印象。
ラストの映画製作シーンやヒトラーをタレントに仕立てたカメラマンとの対峙のシーンもその「行ったり来たり」感が力強く表現されておりこれ秀作だと思うんですがねえ。
ヒトラーが大衆を煽動したのではなく大衆がヒトラーを選んだ。ドイツ国民こそがヒトラーなのだというテーマはとても重くそして怖い。
ドイツ映画って例の「ムカデ人間」とか突拍子もないテンションのものが多くて結構はまるのだがいかんせん、なかなか本邦で公開する本数は少ない。
「ヒトラー最後の十二日間」と併せての鑑賞をオススメする次第です☆
この日記。続く
コメント
ウイグル獄長
2018年 07月18日 19:18
ネクロマンティック☆これもドイツ映画
ウイグル獄長
2018年 07月18日 19:22
まあ基礎教養として見ておくべきドイツ映画☆
もっさん
2018年 07月19日 13:53
>ヒトラーが大衆を煽動したのではなく大衆がヒトラーを選んだ。ドイツ国民こそがヒトラーなのだ
笑いの中にも社会を風刺しているんですね。
オバケなんかよりもずっと怖いですね。
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2018年 07月19日 18:38
「大衆がヒトラーを選んだ」というのは、真実といえますね。閉塞した状況の中で、気持ちよく突破口を開いてカタルシスを感じさせてくれる人物を大衆が待ち受けていたともいえるような。
ひゃはは。「ムカデ人間」! いい塩梅にイッちゃってる博士大好きです。メトロポリスの昔から、ドイツ映画は独自の道走ってますね。
「ノスフェラトゥ」や「カリガリ博士」も大好きです。