今、ヨーロッパの人たちはロシア兵たちの死滅を願い、ロシアやベラルーシの人たちはウクライナ兵たちの死滅を願っている。無論、冷静に和解を訴える人たちもいるが、少数派のようだ。熱心に死滅を願う人たちのかなりは、東西共、遠ざかっていた人たちも教会に行き、それを祈る。呪う。戦争の時はいつもあるが、今回は異常な面がある。
千年くらい前、西のカトリックと、東の正教に分かれ、両教皇は相手を破門し合い、バルカン半島やウクライナなど、競合するところでは局地戦も多かったが、それぞれの中心地が遠いため、全面的な対立はなかった。西方の場合、対イスラムや、その後のカトリックとプロテスタントの争いの方が深刻だった。東西が呪い合うことは今回が初めてである。でも、その全面戦争は核兵器からの人類滅亡になるから、それはないだろう。
しかし、両方の地や教会で呪いに満たされたら、何が起きるだろう。他人に不寛容になり、違いも、欠点も許し合えなくなるのと違うか。無論、経済格差も。この戦争は長くないと思うが、そのあとも呪い後遺症は続き、今度は西同士、東同士に深刻で複雑な対立が。EU崩壊、ロシア崩壊、ユーロやルーブル消滅、両方の教会の変事なども考えられる。やはり、十字軍戦争後の西方教会が同様に分裂したように。今回は政治や経済に深刻な影響が出る。
「敵を愛せ」とイエスは言ったのに。でも、キリスト教でも、仲間関係作ると、自然に敵見方に分かれ、果ては呪い合うようになる。もう仲間ごっこも、兄弟愛ごっこもやめて、イエスやシャカに戻るべきである。
今行われていることは、仲間関係の愚かさ、狭さである。僕は東西教会のどちらも支持しない。仲間関係が根にあれば、その教会には行けないわけである。