若い時、二つの福祉会でそれぞれ在日中国人と、韓国人と出会った。二人共、小学から私立学園でのびのびと育ち、民族性はその人の持つ特徴として周りの生徒や父母もとらえ、バカにされる・差別はなかったようだ。生徒すべてが得意なものを伸ばし、非常に仲良くした。そのような学園で育った一人がその経験をもとに、公立学校の統合教育の私案を作ったが、最初からマルクス主義を信奉される方から「人間はプロレタリアとブルジュワに分かれる。両者は仲良くできない」と苦言を述べられ、ろうを持つ人からは「ろうあ者の気持ちはろうあ者しか判らない」と拒絶され、僕も時間を掛けて不賛成に回った。脳性麻痺児の身体や能力は一人一人違い、複雑で一概に言えないからだ。

　　宗教と金が問題化している今、お金の連想から改めて思った。以上の在日系の子が差別されなかった理由は明らかに構成員の家庭が裕福で不満もなく、ストレスもないため、それを立場の弱い子に向けることもないからである。経済状況がさまざまな家庭の子供で構成されている公立学校では、父母がお金の愚痴を常に言い、子供がストレスを持ち、その発散のために在日系や精神障害を持つ子をいじめ、先生も対応に苦慮するわけである。また、家庭に金がなければ子も落ち着かず、得意なものを伸ばせない事も察せられる。

　　さらに、そのような学園は家のお金に関係なく、精神障害児は今も入学できないだろう。お金はあっても、公立学校で差別され続けるわけである。

　　お金がすべてでもないにしろ、教育問題を見る時も経済も一緒に見ないといけないわけである。