去年から東アジアのネット関係では、三峡ダムについて取りざたされている。確かに、決壊したら大変である。それは判るが、もっと恐ろしい可能性が全世界にある。すでに事故も起きている。原子力発電所である。日本の福島の場合、地震に伴う津波で事故になったが、他にもコンピューターのミスとか、建物の不備、そこへの飛行機墜落事故やテロでも起きうるわけである。

　　いったん事故が起き、放射能が出ると風に乗って広範囲に広まる。福島の事故では、日本付近は西風が強い時期だったから太平洋に落ちたのが多かったが、夏ならば南風に乗って北日本全域とロシア極東部も放射能汚染で大変な事になった。１９８６年４月２６日、今のウクライナで起きたチェルノブイリ事故では、旧ソ連一帯は勿論、ドイツやノルウェイまで放射能が観測された。いったん放射能汚染があると、その広範囲で放射能汚染があり、全生物は死滅したり、白血病で苦しむわけである。核兵器は別として、どんな兵器でもそこまでは破壊しない。本当に「命」をむしり取るわけである。しかも、人間のする事には完全はなく、それが作ったコンピューターも同様だから、常にそうなる危険を我々は抱えてしまったわけである。もちろん、お国を越えた問題である。例えば、日本だけ原子力発電を止めれば良いとか、そのような事ではない。日本がそうしても、お隣の国々は勿論、ヨーロッパで事故が起きても、西風に乗って日本にもやってくるわけだし。

　　経済＝経世済民。つまり、民が飢えないようにする事が本来の経済である。食の分配さえしっかり行えば、今の日本にしろ、韓国や中国にしろ、アメリカにしろ、飢えは起きないわけである。原子力発電所という、悪魔みたいなものまで作って、経済成長を旧ソ連にしろ、日本にしろ、する必要があったのか。資本主義は成長しないと破綻する仕組みだが、旧ソ連でもたくさん作られていた以上、旧社会主義も同じ体質だった事も判るし、さらには、まだ原子力発電所はなかったが、毒ガスで大量に人を殺したナチスやファシズムの事も併せて、「現代文明の罪悪」も浮上してこよう。命を重んずる文明になって欲しいものである。

　　（「原発」という言葉は日本人にしか通用しないのではないか。中国・台湾の人たちには判るだろうか。また、フェイスブックの自動翻訳では、各国の言葉に誤訳される恐れもある。日本だけの問題ではないので、その略語は僕は使いたくない）