島田の元園生Ｍ氏の手記にあった「マー君」を先は書き忘れたため、「堀川政男」という名を付けて、盛り込んだ。手記に「マンガが好き・次郎物語みたいな少年ドラマは嫌い」と書いてあったので、そのような子は大体やんちゃで、勉強が嫌いだから、そのように再現に努めた。やんちゃな男の子は、昔あった高島平子供会でも見ているから、それも参考にして。


　　僕が行った時の１９７７年にはマー君はすでに天国。いつ天国に行ったのか、記録もない。小説では、その数年後に天国に行く事にする。因みに、１４章の１９６６年はＮＨＫではまだ「次郎物語」は放送されていた。Ｍ氏とチャンネル争いしていたようだ。

　　また、園生で唯一の本名の野口栄一君。僕の気持からしても、本名以外では書けません。理由も、彼の書いた詩や随筆は言葉数は極めて少なかったですが、ストレートに僕の魂に入り込んだからです。「結婚相手がほしい」とか。説明も、情報も一切抜きで、独特の書き方をしていたから、魂に入り込んだと。でも、例えば、結婚関係でも、他の園生は前後の情報、美辞麗句が多く、身障の立場の僕でさえ、魂に入り込んでいない。その他の事も。島田以前の育ちも違ったかもしれないし、それよりも彼の純粋な性格がそうさせたと言わざるを得ません。野口君がいなければ、僕も島田も早く忘れていましたよ。又、「いのち」の伝達も、多言では伝わらない。逆に、一言が伝えられると。


　　別の機会に書く事かも知れませんが、現代人は知性信仰が強く、余計な事を考えたり、話しすぎるかもしれない。情報交換目的で人と付き合う、仲間に入るとか。でも、それでは上べだけしか伝わらない。それで寂しくなり、過度に他人と共感したくなりますが、それも一面だけで、もっと寂しくなり、地獄になる事も多いわけです。気持ちとか、魂、愛、友情、信仰と、一言の方が伝わるし、無言はもっと伝わります。今の野口君は天国。僕とは常に無言のやり取りをしているわけです。無言、無情報。これで良い。最高の友情です。ありがとう！