「対策」から先に述べると、小中高と日本の各学校はパソコン・スマートフォンを活用した「遠隔教育」を多くさせて、学校自体は遊びと交友の楽しい場にした方が良いと思います。理由は、以下。


　　　コロナ流行のため、２月末から全国的に休校になりました。夏休みよりも長い期間です。「中断」そのもの。その後、再開させても、特に年齢が小さい子や、感受性の強い子ほど、学校生活や授業に強い違和感を持ち、結果的に不登校になる子が激増する事が僕にも見えているからです。人間と言うものは、一度中断した事は復活できない習性がある。大人もそうです。誰でも経験している事です。島崎藤村の若い時の自伝小説「春」にも、元々はクリスチャンだったのに、教会に行く事を止めたら、もう行かなくなった事が書かれてありますし、僕も元患者の伊藤まつさん昇天後、全生園に行くのを止めたら、行く気が消えた経験もある。大人でさえそうだから、子供たちは尚更です。中断した学校生活を復活させる事のきつさは、僕でも察する事ができます。しかも、国と言おうか、「大人たちの都合」で休校を強いられたのならば、尚更でしょう。性格によっても反応は違いますが、特に感受性の強い子は悲しく、きつく感じたり、怒る子も出ると思います。（無論、中断した学校を。先生たちもやりにくいわけだが）


　　また、ただでさえ、不登校児童が増えている状況がある。僕が覚えている限りでも、１９８０年にはすでに「登校拒否」という言葉がありました。４０年も前から起きている問題。その登校拒否児が今後は激増する事は間違いないわけです。思えば、この件に日本人は冷たすぎました。わがままでもない。学校生活に性格的に合わないわけです。ムリを子供に強いたら、いけません。

　　「義務教育」なるものは、子供たちに国や都道府県、親たちが「教育を受けさせる権利」です。子供が学校に行く義務ではありません。羽仁進の娘は親の意向で学校に行かせられなかったですが、その代り、親が十分な教育を与えたから、刑事告発はできなかったと解釈できますね。とにかく、義務教育を「子供が学校に行く義務」と誤解している人が多いようなので、ここで言っておきます。

　　　それにしても、文部科学省。何考えているのでしょうね。９月入学案が独り歩き。仮に、そうしても、コロナの第二次流行が起き、秋冬にまた長期休学になれば、どうなるのでしょうか。今度は「２月入学」案が出るのではないかと、思いたくなります。入学時期の件は問題の本質ではない。明らかにおかしい。それと、学校で集団感染した時の対策とか、コロナにかかり、入院した子供たちの教育の対策も聞いた事がありません。子供の身になって、文部科学省の役人や大臣たちは考えているのでしょうか。コロナが仮に消えても、不登校児童は激増するし、先生たちもやりにくくなる事は見えているのに。

　　最悪の場合を少しだけ述べると、今後も今までの学校運営にこだわれば、不登校児童や、職務不能の先生が激増し、学校社会は崩壊します。その場合、子供の多くは勉強もせず、家にいるわけだから良いわけはないし、もっと恐ろしい事は学校から社会がドミノ倒しになり、日本社会は崩壊する。産業社会も、福祉関係も、何もかも。戦国時代以来のひどい状態になるわけです。終戦直後以上だね。つまり、高齢者や障碍者の生活にも絡みます。全ての日本人に。

　　　最悪の状況を避けるためにも、学校や勉強の目的を徹底的に掘り起こし、子供たちの為の教育をしていかないといけません。（参考に述べると、僕の母校の光明養護学校の小学部に「学校は皆で遊ぶ所。家は勉強する所」という考え方の先生がいて、その通りにしました。天気の良い日はハイキングとか、夏は一日中水泳とか。学力考査試験がありましたが、別に劣ってはいなかった。むしろ、好成績でした。僕は直接はその先生に習わなかったですが、それも参考に以上を書きました）