ある人に借りて、カミュの「ペスト」を読みました。20世紀前半でしょうか、フランスのある街が舞台。すでにペスト菌が発見されていた時ですが、医者が対応に苦悩し、神父も悩み、人々が多く亡くなる。経済も大混乱。人々は迷信とか、変な情報にすがろうとしています。今のコロナと似ていますが、ただし、今は世界的にそうなっている。はるかに規模が大きいわけです。
どこの国もコロナ対策は以下でしょう。
感染者増加➔外出抑制➔経済悪化と感染者減少➔外出規制・自粛解除➔感染者再増加➔再外出抑制➔...を繰り返すと。見えた筋書き。
以上ならば、経済に良い影響は出る訳もないし、それ以上の問題として、国民は今までにない政治不信・役人不信になりますよ。すでに多くの国がそうなりつつある。大体、政治家も、役人も医者ではないから、病気の事は知らないし、また、史上初の病気なので、政治に助言する医者たちもよく判らないわけですね。政治家と役人にできる事は、緊急給付金支給だけ。コロナ対応は完全にムリですよ。「偉そうな事ばかり言って、政治家や役人もただの人じゃないか」と各国で人々は思うようになると。そうなっている国々も多いわけです。国家の威信が揺らぐ。...。
資本主義崩壊だけでも済まないでしょう。それよりもさらに大きく、フランス革命以来の国民国家の枠組みも消失するのではないか。今回の危機にまともに対応できる政治家や役人はいない以上はそうなりますね。(トランプ大統領が楽観的な見方をして、アメリカはどうにもならなくなった。インドネシアでも、大統領や各大臣が「コロナ・ウィルスは太陽光に弱いから我が国では流行しない」と見て、手を打たなかったから、患者が増えた。スウェーデンでは、そこの医者の言う事を信じて、集団免疫に任せたら、それもどうにもならなくなった。どこでも、国家の威信が揺らいでいます)