「この教団に入り、生まれて初めて友人ができた」と手紙に書いてあった旧友の言葉を昨日のブログを書いてから思い出した。プライバシーに触れる事は書かないが、ずっと学校関係にいた。大学の時に僕もいた福祉会にも少しだけ顔を出したが、そこでも友人を作れなかったとか。後、縁があり、某新興宗教で初めて以上の通りになったわけである。僕自身が生まれつき歩けないなどの重い身体障碍を持ち、しかも、昔の島田療育園の過酷な様子も知っているが、それでも、その人の言は「血の叫び」に聞こえてならない。仏教で言う所の孤独地獄そのものである。確かに、世代柄、受験競争のせいもあったが、それ以上に学校生活の意思疎通不足と、恐らくは首都圏に特に強い地域社会が存在しない点が孤独地獄の原因だろう。強いて言えば、その教団はオウム真理教のような反社会的なものでなかった点が良かった。そう言えば、オウム真理教には、以上のような人たちが麻原に騙されて、多く来たではないか。「学校では意思疎通の練習ができず、又、地域社会の再建も望めない」構造の顕著な果ての姿がオウム真理教ではなかったか。


　　１９７５年ごろ、ＹＭＣＡの活動家の一男性と交流したが、彼は「学校社会」を盛んに非難し、当時の僕には訳が判らなかった。その後、読んだＹＭＣＡ機関紙にも「学校社会」を非難し、また「教会は学校社会みたいになってはならない。教会員たちは言いたい事を自由に言い合って、意志疎通を図り、連帯もしないといけない」と書いてあったが、恐らくは今の僕が言っている事に近い事を彼らは早くから述べているのだろう。そのキリスト教関係にも、学校を経営している教派も多いが、そのような教派は本当に学校風になるのかもしれない。僕の行った教派がそうで、教会も学校風。牧師は「先生」と呼ぶ。でも、新約聖書にはイエス自らの言葉として「地上のいかなる者も先生と呼んではいけない」とあるわけだから、僕も変に思ったのを覚えている。（学校経営している教派は衰退も早いかもしれない。僕の行った教派がメンバー間の意思疎通を欠き、牧師たちは組織にこだわり、果ては複数のレイプ牧師を出した大きな一因もそのような事であると考えられる）


　　聖書や仏典と学校関係は目的も違うから、一概には比較できないが、例えば、イエスは盲人や身障者、娼婦などに関わる最初に「何をしてほしいか」と相手に聞くなど、「意思疎通」を非常に大切にした。意志疎通自体が「愛」である事が読み取れる。それはシャカや、日本の親鸞上人も全く同じである。つまり、意志疎通が不足する事は、いかなる愛も生まれず、構成員は皆「孤独地獄」になるわけである。無論、男女の愛も根は「絶え間ない意思疎通」である事は言うまでもない。深くは述べないが、歌謡曲みたいな恋愛感情は男女交際の役には余り立たない事も僕も体験的に気が付いている。絶え間ない意思疎通こそが互いをまず知り、次に深い愛も作る。夫婦になっても、どちらかが他界しても、意志疎通が愛を深め、孤独から防ぎ、共に前進させるわけである。