３年くらい前だろうが、ＴＢＳの夕方のニュース番組で伝えられていた。覚えている限りを書くと。


　　　夫が定年退職した夫婦。いきさつは僕は覚えていないが、高利率もあり、トルコリラで、トルコの会社の株式に退職金と財産を投資した。ところが、トルコ・リラが大暴落し、大損。半減したそうだ。

　　　放送では「これから、我々夫婦はどう生活すれば良いのだろう」と嘆いていたのが印象的だった。いくら高利率でも、暴落すれば、大損する事に気が付かなかったわけだ。トルコへの投資は１５年前によく新聞広告で僕も見かけたから、広告を見て投資する気になったのかもしれないし、銀行員に勧められたのかもしれない。いずれにしろ、高齢になり、もうまともに働く事もできない身の方が大損。途方に暮れるのも当然である。その人のその後の事は報道されていないが、そのような例も世界には非常に多いわけである。強いて言えば、以上の人は、世界的に今後は経済成長ができない事を読み取れなかったと言おうか。でも、実際、そのような事を読み取れない人も多いし、特に高度経済成長のイメージが強く脳裏に残っている世代の人たちは読めないのも仕方ないかもしれない。

　　いつの時代でも投資のリスクはあるが、高度経済成長が終わった今と今後はもっと高くなるし、儲かっても大した事はないわけである。

　　更に銀行。顧客が儲かろうが、損しようが、手数料が取れるから、預金者には大体投資を勧めるわけである。どう転んでも、顧客が投資すれば、銀行は儲かる仕組みである。それゆえ、僕は銀行員の投資の勧めは一切信用しないと。儲からなくても、安全第一で父からの遺産を運用しているわけである。暴落の危険を考慮すると、今は投資はギャンブルよりも危険だと個人的には思っている。

　　今回の金融庁の件、投資を促すものならば、時代錯誤である気がしてならないが。すでに高度経済成長の時代ではないわけである。