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　　南宋・楼鑰（ろうやく）の「春雨（しゅんう）二首」の其二です。

　　春雨・其二

　　漫漫平湖接遠天／濛濛細雨湿軽煙／野橋横著草深外／何処渡頭人上船

　　漫漫（まんまん）たる平湖、遠天に接し／濛濛（もうもう）たる細雨、軽煙、湿（うるお）う／
　野橋（やきょう）、横著（おうちょ）す、草深（そうしん）の外／何（いずれ）の処の渡頭ぞ、人、船に上る。

　　漫漫＝広く遥かなさま。平湖＝水を豊かにたたえた湖。遠天＝遠くに続く空。濛濛＝煙るようにぼうっとしている。けぶる。横著＝横に架かる。渡頭＝渡し場。
　　
　　遠くまで広がる湖は、はるかな天にまで接しているように見える。煙るように見える霧雨が、軽い塵をしめらせ、草が生い茂る郊外に、野に架かる橋が横たわっており、どこかの渡し場から人が船に乗るのが見える。

　　中国の湖は、日本の感覚で言うと海です。そのくらい、スケールが大きい。それを見ながら、春雨に濡れているのですね。「草深」はまさに春だし。かなり春が進んだ時かもしれません。
　　写真欄には、中国の春雨の風景を載せます。湖はないですが、虹があり、とても素敵なので。