どちらも「封建制発想」で割り切れます。レイプした牧師は二人輩出。一人は逮捕されました。
　　封建社会の人たちの生活も階層により違いましたが、庶民は恋愛を自由にしていましたね。でも、どこの国でも、上流階級は恋愛はタブーで禁止され、イエ存続の為の結婚になっていた。日本の江戸時代では、武士や公家がそれに当たります。非常に封建的だった。彼らは恋愛と性欲追求の区別も付かなかった。そのような社会で生きれば、そうなるわけです。明治以後、生きがいを失った武士や公家はキリスト教に新たな生きがいを見出し、入信。僕の行った教派もそうでした。でも、入信後も封建的発想は維持して、恋愛と性欲追求の区別が付かなかった。一方、キリスト教では、恋愛は非常に価値の高いものとされている。ならぱ、性欲追求との区別が付かなければ、どうなるでしょうか。レイプにも罪悪感や、女性の心の事を思いやる事も考えくなるのではないかと。それらがあれば、レイプはしないはず。そんな事だと。その教派の封建制の変形ですね。
　　僕も入ったものの、それまでに入ったどの会よりも、精神的不自由を痛感して、息苦しくなり、止めるに至ったわけです。何故、痛感したか、自分でも今まで判らなかった。Ｓ園や諸々の福祉関係よりも息苦しさを。Ｓ園の方がマシだとさえ思うように。理由も「封建感覚」。確かに、牧師を「先生」と呼んだり、個性を無視し合う付き合いだったり。閉鎖的でもあった。全生園の方がはるかに開放的でした。一番閉鎖的でも。耐え切れず、出て行った。本当は最初からおかしさを感じていたわけですが、それでも入った理由は二つあったかもしれません。勉強が非常にしたかった事。そして、若かった事。勉強の件は、ある福祉会で「アナーキー」とか、「江戸時代の方が良かった」みたいに、次々と難しい話をしてくる人がいて、返答できず、その会から離れても、その事が頭にあったので。返答できなかった事は、屈辱でもありました。だから、その分、勉強したくなったわけです。その教派で歴史などを学び、更に放送大学へと。屈辱を与えてくれた旧友には感謝しています。僕には良かったわけです。友情とはこんなものかもしれませんね。
　　レイプされた人たちには何と言えば良いのか、判りませんが、僕が教派から抜けた理由が判り、気が晴れました。それを小説化する気持ちはないですが、非常に大きい問題が根にあり、驚いてもいるわけです。