「ハンセン氏病問題理解」を僕に求めたからである。今気が付くに、医学基礎知識以上にもっと大きな理解不可能の理由があった。ハンセン氏病問題も実に多様で、無限に根が深い。例え医学知識があっても、人間の頭脳で「理解」できる問題だろうか。また、理解すれば良いのだろうか。一方、Ｙ子さんも、例の伊藤まつさんも脳性まひ問題はさっぱり判らない。こっちも実に多様で、無限に根が深い。上べだけの理解で失敗した学生ボランティアの例も僕は知っているからね。一方的に僕が相手理解はおかしい。
　　では、Ｙ子さんや伊藤まつさんはハンセン氏病問題を理解しているのか。ノーだね。自分に絡む差別の事さえもどれだけ判っているやら。１％も満たない。僕も脳性まひの事については、同様である事に気が付かされる。
　　また、両問題とも、理解で解決はできる事ではない。「受け止める＝愛」のみが解決策。大事な点だと。
　　Ｙ子さんは女性で元患者の夫がいるが、「理解してくれない」とぼやいていた。つまり、受け止める事に気が付かず、人間の持つ知力を過信して、理解を求めているわけだ。だから、結果的に僕とも絶縁になったし、そのような人は最後は孤立する訳だ。Ｙ子さんの場合、どうしても他人との付き合いが少ないから、愛の事も悟れないと僕は見ているが。