例の小説。一男性園生の架空ラブレターをカタカナ文で書き上げました。一番気を付けたのは、彼は自分の気持ちばかり伝え、相手の心を生かす文にはしなかった事です。ラブレターの真の目的は相手の心を生かす事ですが、１９７０年代当時の若者たちのそれは自己主張ばかりでした。当時の歌謡曲もそのような歌ばかりでしたね。亀井勝一郎や岡潔みたいな一部の有識者はそれを批判していましたが、ほとんどの人たちは「自己主張が愛。気持ちが伝わらないと何もできない」と思っていたわけです。世界的な傾向でした。やはり、経済関係は各社がコマーシャルで猛烈な自己主張していたでしょ。それと同じです。
　自己主張的な恋文は相手が拒否した場合、両方が傷付きます。両想いや夫婦になれても、いつかはトラブルが起き、別離や離婚になるわけです。いずれにしても、悲しく、寂しくなりますが。
　　何が恋愛かは判りませんが、今の僕は女性たちに相手が喜んでくれるメールを書けば良いと思っています。活人文を書けば良いと。実際にそうできているかは何とも言えませんが、書いていると僕自身が楽しく、寂しくないわけです。相手たちもそうだと良いと思っています。
　　恋愛も世間の流れで変わるもの。２０世紀後半はエゴの時代だったから、「好きです」と書くしか能がないラブレターばかり世界中の人たちが書いていたわけですね。共生時代になれば、男女共、相手を生かすラブレターがほとんどになり、万葉集みたいな恋愛文化が復活すると見ています。そのような社会が楽しみです。