全生園、島田療育園、高島平団地と深い問題があった事は見えたが、当事者に聞いても原因は聞けなかった。当然だと。当事者たちもその原因については「判らない」わけだから。もし、判っていたら解決行動や社会変革行動をするわけだが。僕などの訪問者のほとんども見ても、原因は判らない。訪問者の中には、そこを知らない人に伝えて、問題の原因を聞かれて、返答できずに困った人もいた。よく話せたものだと思う。原因が判らないため、若い時の僕は伝える事はしていないわけだし。そのような中、「原因は結婚制度」と明言した弁護士志望の一人はものすごい頭脳を持っていたと言わざるを得ない。
その他、複数の場で山谷の日雇い労働者のサポーターの声を聞いた。全員がクリスチャン。無論、サポーター・労働者共に問題の根については知るわけもない。資本主義経済も根には違いないが、その他、これもマイホーム生活や現行結婚制度も大きな根としてあると。でも、知らないわけだし、「イエスがカナの婚礼を祝った」個所が新約聖書にあるため、クリスチャンほど、結婚に憧れる傾向が日本では強いわけだから、サポーターたちも憧れ、次々と結婚し、現行結婚を補強。サポートしながら、問題の根を大きくしているということをしていました。聖書にある結婚と、日本の明治以降の結婚は、同じ名前でも違うのに。もっとも、マイホーム文化の全盛時代ならば、いくら信仰を深めても判りませんよ。彼ら一人一人の罪でもないでしょう。僕も今だから矛盾が判ったに過ぎないし。強いて言えば、「時代の罪」ですね。
話は戻りますが、根本原因が判らなければ社会変革行動はできない。原因を誤解したままやると、社会を悪くします。とはいえ、根本原因が判るのは今みたいな歴史の転換期まで待たないと見えないのかもしれない。歴史の変換期は何でも一気に変わりますね。フランス革命、明治維新と。そんなものかもしれません。