トシコロさんの日記

2021年 04月08日 14:51

文芸誌が僕には種切れになった理由

(Web全体に公開)

  確かに、この所、ブログやSNS関係にはその転用は投稿していない。書けないか、書いても皆さまにお見せできるような内容でもないからである。書くことが難しくなったきっかけは、昨春、コロナで色々考え込んだ事だが、真の理由はもっと深かった。一つは、それまで断片的に書いていた光明養護学校時代の思い出話が文字通り、「種切れ」になった事である。別に記憶のせいではない。先日も書いたように、僕は本当は学校や児童関係には問題意識が薄いようで、それらを深くは追及できないようだ。もし、それらに問題意識を持っていたならば、僕の代の光明学校の実録小説を書いたと思う。僕の代でも、介助員設置運動など、多くの事があったから、問題意識さえあれば、小説が書けるはず。その場合、光明時代関係の事は次々と浮かび、種切れにはならないわけだが。


  でも、一番の理由はその後、「今は近代の結婚制度と資本主義の崩壊期の歴史的転換期」に差し掛かっている事が判ってきた事である。コロナの比ではないだけ、考え込むようになった。内、「資本主義」の事は深い経済知識がないと書けないだろう。書いても文芸誌には不向きになるわけだ。また、結婚制度の事は、先も述べたように、トラブルを起こした人もいたし、僕が書いても同じ事になる事は見えています。まだ旧来の価値観の人たちも多いですからね。SNSと旧友たちにしか話せない事である。

  それ故、一時は童話に転向もした。身障運動の延長で「命を大切に」という発想から動物との共生も述べたものを。でも、童話も本当は児童や学校に問題意識を持つような人たちしか書けないのではないか。例の子供向け科学や随筆文に盛り込んだ方が僕には効率的に書けることに気が付いてもいる。童話も児童や学校への問題意識が必要だから。(身障問題の啓蒙の為、子供会関係に行った事も。たまたますぐに子供会自体が潰れましたが、そのまま続けても、他のメンバーとは目的が違ったから、うまくいかなかった気もします。すぐ潰れて、僕の印象だけを子供たちに与えられて、最高の結果だったと思うようになりました)。

  以上の通りですが、思い出す事があります。80年代半ば、ミニコミ好きの旧友と、すでにつぶれた福祉会のコミニティ再生のため、通信誌を作りましたが、すぐに種切れになり、二人も書けなくなり、断念したことです。まともな文は何かの深い問題意識の裏打ちで書ける事ですね。その問題意識は持っていても、結婚制度や経済問題のように書く事が難しい事もあるわけです。書けなくなったのも仕方ないわけです。

  因みに、もし、僕が児童や学校に問題意識を持つような人ならば、がらりと僕の過去は変わったはずです。島田療育園に行っても、関心も持たず、すぐ止めたでしょうし、全生園の伊藤まつさんにも無関心だったはず。高島平子供会には身障啓蒙ではなく、教育的見地から行き、その辺の学校にも関わり、そこから統合教育運動をしたと思います。光明養護の卒業生たちは統合教育に反対や消極的な意見も多かったので、離れていったと察しています。考え方もかなり変わったものになったでしょう。

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