オオカミについて.
今は冬。佐久もさむいですね。日本の北西やはるか西のロシアやヨーロッパはもっとさむいです。つもった雪もとけないままです。われわれ人間は歩くこともできません。でも、動物たちの中には元気に雪の野原を走り回るものも多いです。オオカミもその一つですね。今日はその話です。
オオカミは犬のご先祖様です。犬は家族やグループを作り、仲間同士で話みたいなことをしたり、助け合いますが、オオカミも実は同じです。例えば、いっしょにえものをつかまえ、肉を分け合って食べたり、森の火事を仲間に知らせて、一緒に逃げたりします。また、まだ小さい子供のオオカミを大人のオオカミが皆で守って育てます。とても暖かい生活をしているわけですね。食べる時にしか、ほかの動物はおそいませんし。
でも、ヨーロッパやロシアでは、昔から、らんぼう者としてきらわれていますね。ヨーロッパなどでは、ヒツジやウシが飼われてきましたが、一つには、おなかのすいた時、ヒツジやウシをおそって食べるから、悪者にされてきたこともあると思います。しかし、考えてもみて下さい。われわれ人間も食べるためにヒツジやウシを殺すじゃないですか。こっちもそうなのに、オオカミだけ悪いというのはおかしいわけです。
日本では、むしろ、大事にされてきました。稲やムギ、大豆などを畑で食べるシカなどをおそって食べてくれるからです。オオカミは「大きな神様」という意味もあるわけだし。でも、日本オオカミはすでにいなくなりましたね。最後に見つけられたのは、明治時代の1905年です。ほろびたわけについては、いろいろありますが、ここでは書きません。その骨や毛皮はのこっていますから、やがては科学の力で日本オオカミをふっかつさせられるかもしれません。
とにかく、オオカミにかぎらず、何かをわるものにしたらいけませんね。
オオカミはどくとくの声を出して、遠ぼえします。今はインターネットで聞けるから、聞いてみて下さい。新しい関心が向く人も出るでしょう。