１９８５年。当時の僕が行っていた教会。著名な牧師を父に持つ高齢男性。その人に、僕と親しくしてくれた伊藤まつさんの事を話した所、大変喜んでくれました。そこまでは良いですが、その人は「ハンセン氏病患者は魅力的で、神に選ばれている」という返答。当時の僕は訳が判らなかったです。やはり、その前に一緒に島田に行った女子学生が「島田職員は魅力的」と言い、同様に判らなかった事がありました。
　　今の僕が思うに、以上２つは「個人」を欠き、元患者や職員を一からげに見ているわけですね。人の魅力は個性から発するはずなのに、それが抜けている。どちらも実際は魅力でもないわけです。厳しく言えば、上べだけ・感覚だけの見方だと。例えば、僕が「脳性まひ者は魅力的」と言われても、嬉しくも何ともないでしょうが、それと同じです。更に言うと、ほめ言葉のつもりでも、職種や障碍で人を括った見方をしていくと、深刻な社会的な差別を作ってしまいますから、それには気を付けたいです。僕も括った見方はしないようにしたいです。
　　もう一つ言うと、どちらか一方でも、括った見方を相手にすれば、交友は成立しません。ムリして付き合うと、差別的な見方にもなり、大ゲンカになると思われます。ろくな事はありません。