＊命じる者と撃つ者

　機龍開発が政府によるプロジェクトである以上、当然その推進には政府側の人員も多数参加している。この物語では国民側の立場を代表する者として、プロジェクトリーダーとボディガードの２名に焦点を当てる。

　プロジェクトリーダー山川は初代ゴジラを道連れに死んだ芹沢が最も恐れた立場に立つ。彼は機龍がゴジラを退けた暁は、その技術はもちろん機龍そのものも駆使して日本の地位を軍事的にも高めることを目指している。彼にとって先の大戦で日本が原爆を落とされたのは戦に勝てなかったからであり、戦没者のためにも二度と戦に負けない日本にせねばならないと信じている。

　ボディガード武部は第二のゴジラ、つまりこの物語のゴジラにより肉親を失った者であり、かつての芹沢の行為による被害者の立場を代表する。かつての芹沢を裏切り者とみなし、その末裔である省次にも憎しみを隠さず、裏切ろうとするなら俺がこの手でおまえを殺すと恫喝することさえ憚らない。


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