*芹沢と白神
芹沢省次(19歳)
第2のゴジラの出現によって故郷を追われ離散に追い込まれた芹沢一族のひとり。村田と名乗っていた父親と共に各地を転々としながら育ったが、ある日自分たちが芹沢一族であることと姉がいたことを知る。だが父は姉は死んだというばかりで、それ以上なに一つ話してはくれなかった。ゴジラを倒せばこんな境遇から一族たちも解放されると考えた少年はロボット工学を学び始め、大学に進んだ時にはすでに周囲への被害を抑えるべくできるだけ短時間でゴジラを倒すロボットの原案を作り上げていた。それが政府の対ゴジラ対策部門の知るところとなり、彼は最年少のメンバーとして迎え入れられることとなった。それは省次にとって、集団に受け入れられた初めての体験だったが、やがて……。
白神英理加(25歳)
物心ついた時にはすでに白神家の一員だった英理加だが、養父が亡くなり養母が再婚したことで彼女は虐げられるようになり、そのとき初めて自らの出自を知ることとなった。耐えかねて家を出てからもその苦難は続き、それはゴジラへの憎悪にさえ劣らぬ人間への不信や恨みをもたらした。その情念が英理加を孤独なるゴジラの弱点の探求者となさしめたのだったが……。
注
☆省次の名は彼が次男であることと悩む人であることをイメージしたものである。英理加の名が『ゴジラvsビオランテ』と同じであるのは、あの映画ではビオランテがゴジラと異なり人間の因子を持つ怪獣であることがあまり活かされていなかったように思うため、最終的に彼女が一体となることで完成する怪獣としてビオランテを描いてみたいと考えたからである。
☆省次の願いが一族の救済である以上、英理加との関係が恋愛に陥ることは避けたいとの考えから彼が英理加に見知らぬ姉の面影を抱く形を採っている。ただし必ずしもそれが事実に基づくものである必要はないとも思えるため、それが本当なのかどうかはストーリー中で明らかにされず両者の設定の辻褄も完全には合っていないほうが、解釈に幅が出たり明示されぬ謎への想像力が喚起され受け手それぞれにとっての最悪の状況を思い浮かべる効果に繋がるかもしれないとも期待している。
ちなみに同族の救済を堅持させる理由は、それが最後の戦いにおいてゴジラと機龍の姿に重ならねばならないからである。
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コメント
もも
2020年 10月11日 08:19
一族へのいじめは不自然ですね
ふしじろ もひと
2020年 10月11日 22:42
もも様こんばんは。
ゴジラの襲来で死ぬ人が出て、だからといって直接ゴジラに怒りをぶつけられる人ばかりでないとしたら、こういう捻れた理由付けで超兵器を我が身と共に葬った芹沢博士に八つ当たりする手合いは多いと思いますし、当の相手が死んだ以上、遺された一族郎党を槍玉にあげる人も決して少なくないだろうと、近年になればなるほど思わされるようなニュースだらけなものですから……(大汗)