以下の童話だが、もし、オオカミが三人の子ブタの内、一人でも殺したり、傷付けたら、話の展開はどうなるかね。力的に反撃もできないし、遠い町に子ブタたちは逃げると思う。そして、オオカミは孤独になり、悲しい歌ばかり歌う。．．．。

　例のＸ君は入る多くの会でその繰り返しだった。悪いと判っているのに、ささいなきっかけで人を殴ったり、平手打ちしたりして。僕も目の前で、女の人が彼に平手打ちされた場面を目撃している。しかも、わけのわからない理由で。

　　しかし、Ｘ君も普段は平和的で優しく、冗談も言う。これもオオカミにそっくり。僕もＸ君が好きでもあった。

　「子ブタを傷付けたら、オオカミも寂しくなる」という推測はそのままＸ君の現実に当てはまる。どうやら、僕はＸ君のイメージをオオカミにも当てはめていたようだ。確かに、Ｘ君にしろ、オオカミにしろ、襲うのは本当に一瞬であり、それで一面的に「凶暴」という印象を持つのはおかしいし、ましてや、精神障碍者全般に凶暴レッテルを貼るのはいけない。とは言え、深刻な問題があるのは事実。

　違う点もある。Ｘ君は他者を襲わなくても生存できるが、オオカミはそうしないと餓死するわけである。例の童話はオオカミに子ブタたちは食べられなかったから、実話ならば、オオカミは餓死したわけである。

　因みに、解決策。「豚のお尻の肉を少し削っても、少し経てば、再生する」と何かの本で読んだ事があるから、子ブタたちはそうして、肉を少しだけ差し出す事である。それをトンカツか、何かにして、オオカミは食べる。その場合、子ブタたちは「痛み」を伴う。オオカミには感謝が必要だろうが。なまなましい話になるわけである。