島田療育園などの「医者による人体実験」もエゴ遺伝子の働きの例だろう。元々は優しかった医者が、病理究明にこだわるようになり、それしか見えなくなり、患者の痛みの事にも気が付かなくなる。戦争の時はエゴ遺伝子の働きが強くなるようで、そのような事が多くなるが、平和な時でも実際はよくある事である。
数千年前に人類のエゴ遺伝子が強まって以来の一番の発明は、お金かも知れない。エゴ遺伝子=原罪ならば、何故、イエス・キリストが「神と金の両方に仕える事はできない」と述べたのかも判る気もします。また、マルクスの「お金が社会を支配」という考察は鋭いですが、ならば、それは「エゴ遺伝子=原罪が社会を支配」という事にもなってきます。だから、封建制度が崩れた後も資本主義などになり、各種差別も増え、戦争も廃れなかったとも考えられる。エゴ遺伝子=原罪が克服され、共生遺伝子が再び強まるのならば、「お金は未来社会では消滅する」という予測にもなりますが、マルクス自身はエゴ遺伝子の事は知るわけもなかったから、中途半端に「宗教は未来社会では消滅する」と述べてしまい、後継者たちを混乱させたわけです。「時代から来る限界」でしたね。
そのほか、明治期から始まった日本のハンセン氏病患者隔離政策も、エゴ遺伝子の働きであるのは言うまでもありません。その政策を作った官僚、政治家、医者も、それを支持して協力した多くの日本国民も。
エゴ遺伝子の働きを考察すれば、ろくな事は出てこないわけです。