1980年前後の首都圏では、ボランティア団体、身障運動、島田療育園と、かなりが挫折か大ゲンカ。何も僕の行った所だけではない事は当時の身障ミニコミ誌や、福祉関係のラジオ放送でも僕はよく知っている。社会共同体がなく、人々も他人に自動的に無関心になる状態では、以上の事をしても、孤立してしまい、福祉関係者は孤独感や無気力感も持ち、ウツ状態にもなり、投げ出したり、短気になり、ケンカもしてしまうわけである。僕も強い落ち込み感を経験したから、よく知っている。
以上だけを見ると、今の介護士や保育士も同じ運命をたどる事になるわけだ。避ける方法はないと、一度は僕も考えた。でも、今は違う要素がある。ITである。簡単に人と出会えて、つながれる。勿論、犯罪や痴漢などに悪用されるマイナスの面もあるが、「多くの人々と連帯して、助け合い社会・世界を作りたい」と思っている人たちがITやリモート技術を使って、それこそ、指一本でキーを打ち、多くの人達に連帯や助け合いを呼び掛け、ついてきたら、それは新しい形の「社会共同体」になるわけである。国境も簡単に越えられるし、今は自動翻訳機能もかなり発達しているから、外国語ができない人たちも外国にも発信さえできるわけである。そして、巨大とも言える新社会共同体を背景にしたら、介護士も、保育士も、高齢者や身障者も落ち込んだり、短気になってケンカする事もなくなるわけである。人々の向上心さえあれば、IT・リモート技術を使い、ポスト資本主義とも言える新世界を作り出せるだろう。その他、やはり、IT・リモート技術を使い、「リモートお見合い」もすでに始まっているわけだ。男女が籍と名字を同じくする従来の結婚というスタイルはかなり変わると思うが、好きな男女が自然に同居生活をする事は世界的にもこれから増えるのではないか。
IT・リモート技術を使っての社会や愛の発展はいつかは確実にそうなっただろうが、コロナがそれを非常に速める働きをしていると言わざるを得ない。他にも、お金に執着しない生き方とか。
中世末のヨーロッパのペストの時、大混乱だったが、すでに腐敗していた教会の権威は更に落ち、病気への迷信も役に立たない事がはっきりして、科学が発達した。新時代に向かった。別にペストが世界を変えたわけではない。ペストは引き金の役に過ぎず、世界を変えたのは人々の意識である。ならば、今回のコロナも「世界が変わる」引き金にはなるが、世界を変えるのはあくまでも人々の意識と科学技術である。人間は細菌やウィルスに支配されるような存在ではないのである。同時に、お金に支配されてもならないわけだが。中世末の迷信や教会の権威同様、資本主義の矛盾も至る所で紛出しているわけだし。
より良い世界になる事を切に願う。