日本の戦後の結婚の歴史を振り返ると、１９４５年から７５年くらいまでは「恋愛結婚は進歩的で正しい」という見方が多かったようです。確かに、当時としてはもっともな見方だったと思います。何故なら、それ以前は、いわゆるイエ制度による見合い結婚が主流。特に、大家長の意向で、当人同士はやりたくもない結婚を強いられるとか、不妊症女性は離婚させられるなどの事も多かったです。それまでは封建的でした。
　　ついでに書くと、日本の封建制は変わっていて、７世紀あたりでしょうか、中国から入ってきましたが、封建的な結婚は江戸末までは貴族や武士階級に限られていたようです。それに一部農家とか。古典落語の通り、庶民は自由結婚みたいだった。歳差夫婦も多かった。それが明治になり、特に帝国憲法後は封建的な結婚が庶民層まで。そのような本も読んだ事もあるし。明治から、障碍を持つ人たちが結婚式に出られない事も出てきた。差別ですね。それが１９４５年まで続いた。
　　話を戻しますと、１９７０年以降、離婚も増え、結婚までに至らない感情的な恋愛も増えた。人格を尊重し合う交際ではなく、寂しいから求め合う男女ですね。多くの歌謡曲にも記録みたいに残っています。さらに、非婚が年々増えた。離婚も。７０年代に僕が入った某福祉会で、僕が一番見た事や、最大の問題意識も実はそれでした。２番目の問題意識が島田療育園。でも、島田の小説にも、やがては一男性園生の非恋も描くわけですから、恋愛見聞も役に立つわけですね。人生にムダはありません。