気が付いたが、いわゆる「恋愛感情」なるものの正体は、自分の寂しさの変化したものに過ぎないね。一方、結婚は共同活動の横綱。恋愛感情からはまともな結婚縁は出て来ないし、結婚生活の事を話す事もできないね。
　　というのは、少し前に話した新しい恋人のＣさんが僕は好きだが、その価値観とか、人間性を好きになっているに過ぎない。元島田の親友の野口栄一君との気持ちに通じるものがある。又は、伊藤まつさんとか。激しい恋心は僕はないし、向こうも同じ。だから、Ｃさんのものをシェアして、僕が文を書いてというスタイルの活動もできる。丁度、今は天国の野口栄一君と一緒に島田の小説を書いているように。
　　　Ｃさんの事を騒ぎ立てる気持は毛頭ない。そこで思い出し、変に思うのが７０年代後半に僕がいた某福祉会の各人の恋愛。好きな人ができると、騒ぎ立てた。芸能人のように。おかしかったし、また、各人、相手の価値観みたいな事をどれだけ理解して、評価もしていたのか。他にも「おかしい」と言っていた人たちもいた。そこも寂しい所だった。大体、冒頭の通りではなかったか。当時僕が同時に入っていた会もそうだったと聞いた事があるし、当時は日本中がそうだったようだ。だから、岩崎宏美が歌った「すみれ色の涙」みたいな歌もできたと思うし、ショパンとサンドの事など、歴史的に見ても近代以降の孤独さが絡んでいると。でも、これでは、万葉集にあるような深い深い男女の交際の気持はできないわけだが。
　　とにかく、男女の縁は騒ぎ立てるとか、そのようなものではないわけですね。