昔の光明には各学年に２、３人は筋ジストロフィーの人がいた。僕の学年もそうで、内、僕と非常に気が合ったコーイチ君という人とは卒業後は文通もしたが、７９年秋に他界。僕もそうだったし、脳性まひの人のほぼ全員は筋ジストロフィーの者に「早く死ぬ運命でかわいそう」と同情した。でも、コーイチ君に限らず、そのような人に限って、生前はやりたい事を思い切りして、非常に幸福そうな顔していた。そこが若い時の僕は謎に思っていた。「かわいそう」は偏見だったと気が付く次第です。本人なりにやりたい事を思い切りやり、生命・心を燃焼させたわけだし。同情される筋合いなど、本人たちはないわけです。むしろ、同情する側の意識ね。おかしいと。何故、「短命は不幸・死ぬ者は不幸」と決めつけるのか。誰でも死ぬではないか。まさに、彼らと五十歩百歩。また、同情は優しさと差別意識の混じり合ったもの。つまり、脳性まひ者も筋ジストロフィーの者に対して差別感情がある証拠だね。大体、死に近い者や死を連想させる者ほど、差別される。ハンセン氏病元患者の姿は死の連想そのものだし、また、死体洗浄などの死に関する仕事を強いられてきた部落民も差別されている。実は、脳性まひ者も健全者から見れば、死に近い存在。だから、「縁起が悪い」と言われて、脳性まひ者は結婚式に拒絶される事もかなりある。僕もそれでＶＹＳ会員の人に呼ばれたが、その親戚の誰かが僕などの脳性まひ者の出席に反対し、行けなかった事もあった。そして、脳性まひ者が恋愛や結婚の相手にされにくい理由の最大のものもそこだと言える。経済性や介護ではない。ならば、尚更、筋ジスの人たちを同情する事はおかしいし、その中に含まれている差別感情は洗い出し、消さないといけないと。こんな事も思います。