マルクス著「資本論」には繰り返し、資本家の労働者の経済搾取の問題が書いてあるが、理由については単に資本主義経済構造のせいとしか述べられていない。１９世紀では、それが限界だったと思うが、脳はつながっていない以上、資本家になれば労働者の気持ちは判らないから、お金の欲望に負けて、道徳的には悪いと思っても労働者たちに無理を強いるわけだと思う。応急措置として、法令を作る事しかないだろう。また、資本家同士が競争して叩き合い、果ては恐慌にもなる事とか。資本家同士も脳はつながっていない以上、こうなる。又、社会主義革命後のソ連で、労働者間の連帯がなく、官僚支配になった件とか。


　　資本主義国になった明治維新（１８６８年）以降の日本でも同じだった。繊維工場で女工たちが労働搾取されたり、至る所で日本国内でもそのような事があった。朝鮮半島を植民地支配後は日本の資本家たちはそこでも同じ事をした。同じ日本人という同胞意識も持てないためだろう、年々日本国内よりも搾取はひどくなり、第二次世界大戦の時は戦争国策も絡み、更にひどくなり、痛ましい搾取も行われた。それは今でも韓国の人たちに心の痛みとして教科書でも伝えられている。ところが、今の日本にはそのような事をした資本家たちは死に絶えていないわけである。脳は親子でも違うため、世代の代わった日本人側は受け止められないし、歴史の勉強をしている人以外は、判らないわけである。そこが問題を更に複雑化させている。世代の問題に韓国人側は気が付いていない人がおおいわけだし。極めて難しい。今朝の新聞にも徴用工の問題が書かれてあったため、僕も考えたわけだ。


　　　日韓関係も、南北朝鮮統一の問題も、唯脳主義では根本的な解決は無理だろう。パレスチナやクルド人問題はもっと不可能だと思う。「同じ遺伝子を持つ人間同士」という意識を持ち合って、初めて解決策の糸口も見えるわけである。脳は時代も越えないが、遺伝子は越える訳だから。ミクロ的にも、マクロ的にも唯脳主義は問われている。