これから「シマハタ・光と陰」は、１９６６年以降に入る訳です。創立５年になる。まだひたむきな面が強かった頃ですね。職員や身障室の他、知的障碍室や植物人間室の様子も書いて行くと。
　しかし、行っていた時は気が付きませんでしたが、園生たちは勿論、職員や園長も極めて魅力的な人たちばかりでしたね。だから、僕も無意識的に彼らを愛し、印象に強く残った。魅力がない人はいませんが、その魅力が皆ストレートに出ていたわけです。魅力を引き出し合う事も愛の大事な要素だし。でも、魅力的な彼らが何故狂ったのでしょうか。そこが非常に悲しい点です。それから、漢方薬や鍼などを切り捨てた日本の明治以降の医学の問題も悲しい事だと。魅力と悲しさの両方を書くわけです。それで良い。又、「愛があるから」僕も書ける。愛は人をつなぐと言わざるを得ません。僕が求めていたものもそこにあった事が確認されました。