70年代後半に僕が相次いで行なった島田療育園と、高島平子供会の事ですね。どちらも僕の自らの意志で行きました。だから、行けなくなる・潰れても問題意識はどちらも深められ、前者は今の小説、後者は子供向け文につながっているわけです。問題意識が強まるばかりだったから、放送大学などで勉強する気にもなった。問題意識なしでは、大学レベルの勉強は難しいかもしれません。他の人達を見ても、自発意志で活動場所に行った人たちは、悩みは持っても、後年は深めて、仕事に結びつく例も多いです。僕だけでなく、自発意志の行動をした人たちはそれを誇りに思って良いと思います。


　　でも、所属会の役員に言われて行なった行動は中途半端になっている。これも僕だけでもない。多くの旧友を見てもそうです。僕が所属していた福祉会で、役員たちが「我が会として、統合教育の問題に取り組む」という方針を打ち出し、その関係者の講演会を聞いたり、現場も視察しましたが、僕は関心も持てなかった。同様の普通会員の人たちも同じで、しまいには僕含め、「何故、役員命令で学校問題をしなければならないのか。その話は聞きたくもない」と怒るようにもなった。成程ねえ。最近、ブログで「教育関係は僕の性格に合わないから、関わらなかった」と書きましたが、それは間違っていました。人から言われてのものだったから、やる気も出ず、考える事もできなくなったわけです。他にも何人もそのような例がいました。ハンセン氏病啓蒙も同じです。医学知識以前の問題でした。話を戻し、高校時代までは僕も教育問題にも関心が強かったのが思い出されています。同様の人達もいます。

　　　それでは、その会の役員たちは何故、「会として皆で取り組む」事をしようとしたのでしょうか。役員になり、管理者的な意識を持ったからだと今は気が付いています。参考になる事もあります。牧師や坊さんは管理者的な意識を持ちやすいと何回も聞いているからです。僕が一時行った教会関係はその典型でしたし、ＹＭＣＡ会報には「どうしても牧師は管理者として、教会組織にこだわる事が多くなるが、それは悪魔の誘惑だ。教会員に限らず、全人類の事を愛さないといけない」と書いてあったわけです。僕自身も８５年に新会を作りかけた時は「皆で取り組むものは」と考えたわけだし。本当は役員は事務的な事に専念すれば良いわけですが、そうではなく、会を、会員を上から見ちゃう。だから、結果的に命令みたいになり、皆にやる気が起きない活動を強いてしまう。８５年は僕もそのような立場になりかねませんでした。作らなくて、良かったと思います。（例の教派の「一牧師のレイプを多くの牧師が隠ぺいしようとしたこと」の根の一つも、牧師の管理者意識だと見ている。牧師に限らず、管理者意識を持つと、ろくな事はないわけである。）

　　とにかく、僕には深められる事が２つもあって、良かったと思います。その福祉会に入って良かったわけです。