確かに、１９８９年、日本でバブル経済が弾けて、長期不況が始まり、日本の多くの企業家は従業員は解雇しなかったため、その分、新入社員は採用せず、それで就職ができず、学校を出てもひきこもりになる人たちも激増したわけですね。経済史を見ても、バブルは確実に弾けています。それ故に当時の日本のマスコミは「バブルは悪かった」と叩きました。一人、異端とも言える評論家の竹村健一氏が「本当にバブルは悪いのだろうか」と視聴者に考える事を促す論調をラジオで流していました。但し、氏もそれ以上は解説できなかったようで、何も語っていません。今の僕は改めて１９８０年代を振り返り、アメリカを舞台に傲慢とも言える日本企業や商人の問題に気が付いています。


　　１９７５年のベトナム戦争敗戦の後、アメリカ経済と世相は活気を失い、次第に日本企業が進出し、日本製品を大量に売り込みました。その代表が自動車ですね。８０年代になり、それが激化し、売るだけでなく、アメリカの土地などを日本の商人が買い占め始めました。投機の為ですね。我が家にも、広大なユタ州の土地を購入の広告紙が来たほどです。「まともに行く事もできないような土地を購入しても仕方ない」と当時の僕も呆れていたわけです。更には、大リーグの一球団を日本企業が買収の意向も新聞記事に書いてありました。とにかく、弱ったアメリカ社会に付け込むように、日本の企業と商人はアメリカで大儲けしたわけですね。それで、儲けた日本人のかなりは傲慢な気持ちになり、「金箔寿司」みたいなものを食べるなど、贅沢の限りを尽くしたわけです。それでもお金を使いきれなかったから、先に述べたようなアメリカの土地とか、美術品などを大量に買いあさった。でも、それらは余り使い道もないですから、いつの間にか、値が下がり、日本企業や商人の持っていた資産価値も下がり、１９８９年のバブル崩壊になったわけです。それと並んで大事なことは、アメリカの経済衰退に危機感を持った当時のレーガン政権は為替操作を陰で行ない、「円高・ドル安」に導いて、日本からの品物が高くなり、結果的に売れなくしたわけです。それもバブル破壊につながりました。レーガン政権のその政策は、その後のブッシュ父政権やクリントン政権にも付き継がれ、２００１年のテロ戦争が始まるまで、アメリカ経済は再び活気を取り戻しました。アメリカ大統領の立場から言って、アメリカ国民の生活を守るため、レーガン大統領のした事は当然だったと思います。

　　過去を変える事はできませんが、思考実験して、過去の可能性を考える事はできます。

　　今の僕が気が付くに、アメリカに進出して大儲けした企業家と商人たちは、アメリカ人たちへの感謝の気持ちがまず無かった点がいけなかったと思います。儲ける事ができたのは、現地のアメリカ人が買ってくれた為なんですね。また、感謝の心があれば、儲けた分を現地の人々にお返しする事も当然考えるはず。アメリカにも貧しい人や難病で苦しむ人、身体や目に障碍を持つ人もたくさんいますから、その福祉寄付をするとか、社員が何かのボランティア活動をするとかすれば、日本への感情もかなり違ったものになったし、また、土地みたいな事を買収する金も寄付に回るわけだから、バブルも、バブル崩壊もなく、日本の経済も非常に安定したものになっただろうし、アメリカでの福祉活動の経験が日本にも持ち込まれ、日本の福祉も早く向上したと考えられます。

　　　残念だと思います。長くなりましたから、ここでまず打ち切って、大事な続きをまた書きます。