「バカッター」とも言われる
飲食系チェーン店での不適切画像についての考察です。
アルバイト学生の思慮のなさや
炎上で目立とうという心理については
ニュースを聞いた多くの人が
すぐに感じることですが
企業の責任や
犯人の個人情報をさらす行為が
「リンチ」なのだという見方は
比較的
メディアに出ていない気がします。
特に
「バイトで人件費削減」という手法にリスクがある
という点は
2013年のブームのときにも感じたことです。
安い人件費のリスクは
バカッターだけでなく
品質や安全性にも
同様に隠されているのではないでしょうか?
スマホに撮影しなくても
手抜きをしたり
ふざけた仕事をあえてする可能性はある
と思います。
コンビニ店の奴隷的な契約についても
最近話題になっています。
私たちは
もっと
働く人を大切にするコストを
受け入れなければならないように思うのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190222-00059968...
人気チェーン店で連続大炎上…「バイトテロ」の傾向と対策
2/22(金) 10:00配信 現代ビジネス
第2次バイトテロブーム?
回転寿司チェーン「くら寿司」の厨房で、アルバイト学生が魚の切り身をわざとゴミ箱に捨て、それを拾って調理するかにみえる動画をSNSにアップし、大炎上した。
その後、くら寿司の株価は暴落し、時価総額にして27憶円が1日で吹き飛んだという。くら寿司は、アルバイト学生を相手に、民事・刑事の双方で法的措置を取ることを発表した。
それと前後して、すき家、ビッグエコー、バーミヤン、セブン-イレブン、大戸屋など、大規模チェーン店での不適切動画が次々と見つかり、同じく炎上を繰り返している。
これらは、ほぼすべてがアルバイト学生による悪ふざけ動画であり、「バイトテロ」などと呼ばれている。
2013年にも、学生がコンビニ店のアイスケースに入って寝そべる画像をSNSにアップし、大炎上したことがあった。そのときも、類似の騒動が相次いだことは記憶に新しい。
これら一連の騒動が「第1次バイトテロブーム」なら、今回はさしずめ「第2次バイトテロブーム」と呼べるだろう。
バイトテロの要因
しかし、なぜ次から次へとこのような馬鹿げた騒動が起きるのだろうか。騒動の共通点を分析すると、それには様々な要因が見えてくる。
まず、騒動を起こしているのは、知りうる限りほぼすべてが高校生や大学生アルバイトである。そして、悪ふざけをする本人のほかに、撮影する者、はやし立てる者など周囲には複数のバイト学生がいる。いわば集団型の悪ふざけだということだ。
(中略)
本人以外の要因
さらに、一連の騒動に関連する要因は、本人たち以外にもたくさんある。
まず、動画を拡散させたり、類似の動画を探したりして、ことさらに炎上させる人々がいるということだ。
実際、今回の一連の騒動のなかでも、昨年にアップされた動画が「発掘」されて拡散されたものがある。「第1次ブーム」のときもそうだった。
したがって、マスメディアを通して騒動を見ている人々は、「よくも懲りずに次から次へと」と思うかもしれないが、そうではなく、これまで散発的に生じていた類似の行為が、1つの騒動をきっかけに次から次へと「発掘」されているだけなのである。
さらに、それをメディアが取り上げるものだから、「発掘」した本人は、手柄を立てたような気分になって、さらなる「発掘」に拍車がかかる。
もう1つ考えなければならない重要な要因は、バイト任せの飲食チェーン店の現状である。あの場に正社員なり分別のある大人がいたとすれば、そもそもこのような馬鹿げた行為には出ていなかっただろう。
人手不足なのはわかるが、それは儲け一辺倒で身の丈以上に店舗を増やし、深夜営業をした結果、バイト依存が深刻になったからである。
バイト学生だけに任せておけば、サークルの「ノリ」で面白おかしいことをして、目立ちたい、笑いを取りたいという心理になることを、雇う側は織り込んでおかねばならない。
いつも時代も、そして学生の「幼稚化」が進む今だからなおさら、学生というのはそういうものであり、それが学生を雇う側のリスクだということを認識したうえで、そのリスク管理が問われるはずである。
一連の騒動を受けて、ある大手外食産業でアルバイト経験がある人が、印象的なツイートをしていた。
その外食チェーンは、店舗数やバイト学生の数では、わが国最大級であるが、この手のスキャンダルが起こっていないという。それは、制服にポケットがないからだそうだ。
たったこれだけのことである。しかし、それが大きな「効果」を生んでいる。
つまり、ポケットがないことで、物理的にスマホを持ち込めないようになっている。
スマホさえなければ、ふざけた動画や静止画を撮影することも、SNSにアップすることもないだろう。それに実際、スマホは雑菌の温床でもあり、それを飲食店の厨房に持ち込ませること自体が間違っている。
性悪説に立てというわけではないが、そもそも悪ふざけのできない環境を整えることが雇う側のリスク管理であり、責任である。それが企業だけでなく、バイト学生も守ることにつながる。
くら寿司は、法的措置という強硬な手段を取るに至った理由として、「お客様、株主様、お取引先様に対し上場企業としての責任を果たし、全国で共に働く約3万3000人の従業員の信用回復のため」「多発する飲食店での不適切行動とその様子を撮影したSNS投稿に対し、一石を投じるため」としている。
くら寿司側は、十分な教育もせず、予防措置も講じずにバイト学生にだけに店を任せておいて、いざ事が起こったら、あたかも完全な被害者のような顔をして、「正義」を盾にバイト学生相手に大企業が本気の喧嘩を売ろうとしているわけだ。
影響や被害の大きさを考えれば、断固たる措置に出るという気持ちもわからないでもないが、企業側の責任についてはどう考えているのだろうか。
もう1つの「正義」
そして、もう1つ気になることがある。
それは、動画の本人や撮影者などを「特定」し、その個人情報をSNSなどにアップしたり、本人の自宅や学校などに「抗議電話」を掛けたりする人々の存在である。
もちろん、バイト学生たちの行為は悪ふざけにしては目に余るものがあるし、不愉快きわまりない。大衆的なチェーン店での不適切行為は、われわれ誰もが潜在的な被害者である。
こうした行為をする人々のなかには、悪い奴を懲らしめるという彼らなりの「正義」感があるのだろう。
しかし、いくら悪質であるとはいえ、子どもじみた悪ふざけに対し、ことさらに個人情報を晒したり、攻撃したりすることのどこに正義があるのだろうか。
これは、度を超した悪ふざけ以上の行為であり、悪質ないじめ行為を通り超して、憲法が禁じる私刑と同じである。
正義の名を借りた逸脱行為ほど始末に負えないものはない。それはときに暴走し、途方もない害をもたらすことがある。
西田幾多郎は『善の研究』において、「理性という者が我々の精神を支配すべき根本的能力で、理性の満足が我々の最上の善である」と述べ、さらに、「善」には必ず「愛」が伴う述べている。
相手を懲らしめてほくそ笑む行為は、単なる感情的な発散であって、そこには理性の欠片もなければ、愛もない。正義をはきちがえた卑劣な「暴力」でしかない。
卑劣な行為に対し、それ以上の卑劣な行為で対抗しても、そこには何も生まれないことを知るべきである。
原田 隆之
コメント
もっさん
2019年 02月24日 10:35
ポケットがなければスマホが持ち込めない
これは今まで考えてもみなかったです。
悪ふざけのバイトに呆れるばかりでしたが
悪ふざけのできない環境作りが大事だなと思いました。
kinchan2008
2019年 02月24日 22:41
>もっさんさん
まあ
働く人にとっては不便なことだし
不適切行為そのものを防止するわけではありませんが
信用失墜はある程度防げるようですね。
(;^_^A