• 

　今日も宋代の漢詩を楽しく学びました。その中、恵洪という人の江天暮雪。二首ありますが、其一です。

　　江天暮雪・其一
　　潑墨雲濃帰鳥滅／魂清忽作江天／一川秀色浩零乱／万樹無声寒妥帖

　　墨を潑（そそ）ぐごとく、雲濃く、帰鳥、滅す／魂（こん）清（すず）しくして、忽ち江天の雪を作（な）す／一川、秀色、浩、零乱たり／万樹、声無く、寒さ、妥帖たり。

　　一行目は、墨を流したような黒い雲がわき、鳥は巣に帰り、姿が見えなくなり。二行目は、魂の底＝心臓までもが涼しくなる冷気に会い、それが湖の上にも雪を作り、降らす。三行目は、川の流れが一筋に見えるだけで、一面に雪が乱れ舞い。四行目は、その雪に覆われ木々に音もなくなるころ、寒さも落ち着いてきた。

　　恵洪は北宋末期・今の江西省生まれの人。どこで作ったものでしょうか。宋自体が南中国系の国であるし、江西省は沖縄県と同じ緯度です。とは言え、大陸気候だから、冬は物凄く冷え、かなり南方でも雪は多く降ります。今の気候の一月に作られた漢詩ではないかと僕は見ています。
　　南中国の大寒前後の物凄く寒い様子が僕には目に浮かびます。そこは大雪も降る。それを一緒に思い浮かべられたら、幸いに思います。
　　そのイメージに合う江西省の雪と雲の写真です。