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　　今日は丁度北宋から南宋に移る時に生きた呂本中という人の特集です。その中で非常に劇的で、皮肉も籠もった「連州の陽山の岐路・三絶」の其二をお話しします。

　　連州陽山岐路三絶・其二

　　稍離煙瘴近湘潭／疾病衰頽已不堪／児女不知来避地／強言風物勝江南

　　稍（や）や煙瘴（えんしょう）を離れ、湘潭に近づき／疾病、衰頽、已（すで）に堪えず／
　　児女は、来たりて地を避くることを知らず／強いて言う、風物は江南に勝れりと。
　　
　　稍＝やや。煙瘴＝南方特有の病気や毒気。湘潭は地名。今の湖南省湘潭市。疾病＝病気。
　　衰頽＝体力の衰え。児女＝男の子と女の子。避地＝避難。強言＝強がりを言う。風物＝景色。
　　江南＝長江流域の南側。

　　北からの金の侵攻で、宋の人たちは南に移らざるを得なくなり、その様子を描いたものです。呂本中自身は二行目の通り、体も弱っているため、移住はきつかったですが、行く所は豊かな土地で、一行目のように病原菌みたいなものも少なく、戦争の事を知らない多くの子供たちは「景色は絶景だね」とはしゃいでいるわけです。
　　歴史の一コマですね。その地を連想させる写真もダウンロードしました。呂本中たちもこのような所を通って行ったのかなとも思います。