今日は五言律詩、つまり、五文字が8行の漢詩を紹介します。
懐遠 陳師道・北宋
海外三年謫/天南万里行/生前只為累/身後更須名/未有平安報/空懐故旧情/
斯人有如此/無復涕縦横
海外、三年の謫(たく)/天南、万里の行(こう)/生前、只だ累と為り/身後、更に名を須(ま)たんや/未だ平安の報、有らず/空しく、故旧の情を懐(おも)う/斯の人にして、此(か)くの如くなる有り/復(ま)た涕(なみだ)の縦(じゅう)横(おう)たる無かんや。
この海外とは、海南島。中国の最南端の島ですね。そこに島流しにあった時の事です。皇帝に仕えていたのがトラブルに逢って。今は日本でも、中国でも外国という意味の海外。中国ではこんなに古くから使われていた事を初めて知ったから、今日はそれを紹介したわけです。
海南島に流されて3年たつ。そこは天下のはるか南の地。私は生きている時はその才能が仇となり、死後の名声はこれ以上求めようか。旧友たちの無事という知らせも届かず、いたずらに昔のよしみを想うばかり。私は本当は立派な者なのに、(皇帝は)仕打ちを与える。涙が出ては止まらない。
こんな意味らしいです。気の毒と言おうか。今は「東洋のハワイ」になっている海南島ですが、当時は本当に何もなく、マラリアにかかるような所でした。どんな暮らしをしていたのでしょうか。江戸時代の日本の八丈島よりもはるかに野蛮な所でした。
写真は海南島。無論、昔の面影はありません。恐らく、昔は99%はジャングルで、マラリア蚊もうようよいて、虎もたくさんいたことでしょう。食べ物は魚やヤシの実くらい。後は畑で野菜を作るくらいで。台風も多く、厳しい所でした。
コメント
Yoshi
2019年 01月05日 14:40
海南島は 海が綺麗な場所ですよね~
昔は そんな荒れ果てた島だったのですか!
買い占めておけば良かった
なんちゃって(笑)