今日はＮＨＫを離れて、暮れらしい漢詩をご紹介します。高校時代に習った漢詩のテキストを出して、以下書きます。
　　　　　　　除夜作　　　　　　　　　　　高適

　　旅館寒燈獨不眠／客心何事轉凄然／故郷今夜思千里／霜鬢明朝又一年

　　旅館の寒燈、独り眠らず／客心、何事ぞ、転（うた）た凄然／故郷、今夜千里を思う／霜鬢、明朝、又一年。

　　うたた＝ますます。凄然＝ものさみしい状態。
　　説明は要らないでしょう。
　　旅館の小さな灯だけがついている、私は眠られない。何で我が心はこんなに寂しいのだろうか。
　　（今は大晦日なので）千里も離れているだろう、故郷の事を今夜は思っている。
　　ひげは霜みたいに白くなった。明日になれば、又一年が来る。いつになったら、故郷に帰れるのだろうか。
　　官職から左遷されて長い事たつ、どうにもならない気持を暮れに詠ったものです。大晦日の情景がよく現れています。
　　本当は「寒山寺」の漢詩を紹介する予定でした。鐘の音で有名だから。でも、調べたら、それは秋の歌。除夜の鐘のものではなかったわけです。それゆえ、以上に変更しました。やはり、暮れらしいものが良いですからね。
　　以上です。（寒山寺の予定が変わったので、今回は漢詩に関する写真は中止です）