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　　今日も漢詩の講義放送を聞きました。その中から、宋代の蘇軾が書いた「六月二十七日、望湖楼にて酔いて書す・五首」の其の一をご紹介します。「望湖楼」は、杭州の西湖にあった楼閣＝建物ですね。

　　黒雲翻墨未遮山／白雨跳珠乱入船／巻地風来忽吹散／望湖楼下水如天

　　黒雲、墨を翻し、未だ山を遮らず／白雨、珠を跳（おど）らせて、乱れて船に入る／地を巻き、風来たりて、忽ち吹き散ず／望湖楼下、水、天の如し。

　　舞台は夏。今の７月に当たります。雲が湧き、黒雲になるまで発達し、それが墨を流したように伸びているが、山の姿はまだ見えている。白く見える雨が珠のように跳って見え、船の中にも乱入してくる。地を巻くように、風も吹きまくる。望湖楼の水面は遠くで、天に連なって見えるわい。

　　こんな感じになるでしょうか。雲の「黒」に、雨の「白」の色のコントラストが鮮やか。山水画を言葉にしたようなものですね。「地を巻く」風は、僕が思うに竜巻かつむじ風。船も揺れたでしょう。又、中国の湖は海のように広い。果ては、日本で海を見るように、向こうは天につながっているように見えるわけです。
　　中国の山水画と、黒雲の写真を載せます。ご覧下さい。