我が家のテレビは地上波しか映らず、現在は放送大学の放送は受信できませんが、それを見越して、授業番組をたくさん録画してあります。一科目ずつゆっくり見ています。最近は「歴史から見る中国」という授業を見ました。その12回目に20世紀前半の辛亥革命などの事も説明されていました。
まず、その革命の精神的支柱になった思想は「三民主義」ですね。それらは「民族の独立」、「民権の伸長」、「民生の安定」です。1905年に東京で孫文が提唱したわけです。内、民族ですが、中国は元々多民族国家。全ての民族が平等に中国国内で共に暮らせる理念を追い求めたわけです。
民権は、国家を作り上げる個人の権利だそうです。
民生の安定。文字通り、人民の生活。なるべく貧富の差を少なくして、飢える人たちが出ないようにする事ですね。中国も大昔から飢饉に度々襲われましたから。
でも、僕が感心した事は、その革命前後には孫文などの指導者たちが徹底的に話し合い、また、当時の清朝の高級官僚たちとも話し合って、内戦や流血を避けた事です。その授業では「流血は起きなかった」と語っていました。僕は多少の流血はあったと思っていましたが、それは記憶違いでした。フランス革命、アメリカ独立革命と激しく流血し、また、日本の明治維新でも内戦があったのに。やや時代は違うとは言え、素晴らしい事ですね。僕はその事では中国人たちに敬意を持ちました。それを聞いただけでも、その授業を視聴して良かったと思いました。当時の指導者たちは私利私欲を忘れて、「中国にいる人たちよ、何とか国を作り、皆幸福になってくれ」と強く念願していたと思いました。そうに違いありません。
その後、中国も色々あり、今に至っているわけですが、建国のルーツを知る事は、外国人である我々も学ぶ所が大きいですね。「皆幸福になってくれ」は今の日本にも必要な想いだし、今は国を越えて世界的に必要な想いです。「地球人よ、幸福になってくれ」という愛星心も持ちたいです。愛国心だけでは狭い時代にすでになっていますね。地球温暖化問題も地球的発想で取り組まないといけませんし。
良い講義を聞いたものです。